会社からお金を借りる従業員貸付制度、名前だけは知っていたり、お得な制度だと聞いたことはあるけれど、よく分からないという人もいると思います。
簡単にいうと、従業員が病気などの急な出費でお金が必要になったときに、会社から借りられるという制度です。
従業員を経済的に支えるため、金融機関での借り入れよりも低金利というメリットがありますが、借りた資金の使い道に制限があることや、融資までに時間がかかること、社内の人にお金を借りていることが知られるなどのデメリットもあります。
ここでは制度の概要から、融資の流れや注意点などについて紹介します。制度について理解してから、利用を検討してください。
- 従業員貸付制度は会社から2%程度の低金利でお金を借りることができる制度
- 借り入れたお金の使用目的は急な病気や教育資金などに限定される
- 従業員貸付制度で借りられる限度額は勤続年数や役職によって異なるが最大100万円程度が一般的
- 金融機関に比べて審査が甘く、ブラックの人でも利用できる
- 企業によってはパート、アルバイトでも利用できる
- 申し込みから融資実行までは2~3週間程度掛かる
会社からお金を借りれる従業員貸付がある場合どんな制度なの?
従業員貸付制度とは、会社が従業員に対してお金を貸し付ける制度のことです。
借り入れ資金の用途は入院費用や災害復旧費用など、緊急でお金が必要な場面に限定されています。また、上限金額については返済が過度な負担とならないように、100万円程度に設定されています。
また、社内の審査や決裁を通す必要があるため、即日の借り入れはできず、申し込みから融資の実行まで2~3週間程度掛かります。
実際の使途や金利、上限金額、融資までの期間は各企業によって異なります。
- 福利厚生の一環で、会社から低金利でお金を借りることができる
- 借り入れ資金の用途が限定されている
- 上限金額は100万円程度であることが多い
- 融資には2~3週間かかる
- 前借りと異なり、制度として規定されており、金利も掛かる
- 非常時払いと異なり、融資金額は働いた分の金額に限定されない
福利厚生の一環として取り入れている企業がある
福利厚生として導入されていることがあります。どの企業にも必ずあるものではありません。自身の勤めている会社に従業員貸付制度があるかどうかは規定を確認したり、人事、総務といった部署に確認してください。
また、福利厚生であるため、内容も企業によって千差万別です。例えば、自動車関連企業の場合は自動車購入資金としても利用できることがあるそうです。
給料の前借り・賃金の非常時払いと従業員貸付制度の違い
会社からお金を借りる従業員貸付制度と似たような制度として、給料の前借りや賃金の非常時払いがあります。
いずれも会社からお金を受け取るという点は同じですが、異なる点があります。
給料の前借り:まだ働いていない分の給与を、労働の前に借りてお金を受け取ることを指します。通常、1カ月分の給与程度が上限に設定されており、前借り制度がない企業も多いです。また、企業側は給料の前借りに対しては応じる義務はありません。(参照:従業員が給料を前借りしたいと申し出てきました。前借りの前例がないので、どのようにすればいいか教えてください。|厚生労働省)
賃金の非常時払い:労働者はすでに働いている分の未払い給料に関して、出産、疾病、災害などの非常時の支払いに充てるためであれば、給料日前であっても企業に賃金を請求することができます。労働基準法第二十五条に会社は賃金の非常時払いには応じる義務があると定められているため、どこの企業でも利用することができます。(参照:労働基準法 | e-Gov法令検索)
解説 | |
---|---|
給料の前借りとは? | 次の給与相当の額を給料日前に受け取る。会社側に応じる義務はない |
賃金の非常時払いとは? | 非常時に限り、すでに働いた分の未払い給与を受け取ることができる。会社は応じる義務がある |
従業員貸付制度の違いとは? | 規定で定められた目的であれば、金額であれば利用できる |
会社からお金を借りる時はどんな理由なら大丈夫?
従業員貸付制度は、低金利でお金を借りることができる一方で、その用途については制限があります。入院費用や、教育費、災害からの復旧費用など、基本的には生活上緊急でお金が費用な場合に限られます。
明示された理由以外にも、緊急であることを示すことができれば、貸し付けてもらえることもあるそうです。営利目的の金融機関と異なり、社内制度であるため、柔軟な運用が可能になっています。
自分の借り入れ目的が認められるかどうかは、規約や担当部署(人事や総務など)に確認してください。
- 敷金礼金など、諸費用が多くなりがちな引越し費用
- 急な病気や怪我による入院費用や通院費用
- 大学進学などの教育費
- 資材高騰の影響を受ける住宅、リフォーム費用
- 保険で賄いきれない災害からの復旧費用
- オプションで金額が膨らみがちな冠婚葬祭費用
- 緊急時の生活費
- ローンのおまとめが認められるケースも
引っ越し費用
引越し費用は夫婦と子ども2人の家族構成であれば、近距離でも10万円程度。引越し先までの距離や、時期によってはさらに高額になります。最近では人件費の高騰もあり、引越し費用は上昇傾向です。
さらに賃貸物件の引っ越しでは敷金、礼金、仲介手数料など、家賃の数カ月分が必要なことに加えて、家財の買い換えなども考えると50万円以上、時には100万円近くになることもあります。
引っ越し初期費用が払えない、引っ越し資金が足りないときは、銀行や消費者金融を考えると思いますが、従業員貸付制度を利用してお金を借りることもできます。金利の面で大幅に有利なので、従業員貸付から利用するほうがお得になります。
病気・怪我や出産等での入院・通院費
急な病気や怪我による入院費用や通院費用は金額が大きくなりがちです。近年、入院期間は短くなってきていますが、それでも1日当たり自己負担額は平均で約2.1万円という調査結果もあります。
単純計算で、1ヶ月入院すると60万円以上、1週間だったとしても15万円ほどになります。
(参照:1日あたりの入院費用(自己負担額)はどれくらい?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|公益財団法人 生命保険文化センター)
怪我や病気での出費は金額も大きくなり、その後の通院による出費や、働けない期間の収入減など家計への影響が大きくなります。そのようなときは返済総額を抑えるためにも従業員貸付制度を利用するのがおすすめです。
教育費(入学費用など)
教育費のなかでも、大学にかかる費用は金額が大きくなります。特に初年度は授業料に加えて入学金を収める必要があります。
大学進学費用は、こつこつ積み立てて準備している人も多いと思います。しかし、大学授業料などは上昇傾向にあり、準備していた金額では足りなくなってしまうこともあります。そんなときに従業員貸付制度を利用して、不足分を賄うということができます。
旺文社教育情報センターによると、国立大学では入学金が282,000円、授業料が535,800円で初年度はトータル818,700円かかります(文部科学省が設定する標準額)。私立大学の場合はさらに高額になり、入学金が259,890円、授業料が971,664円で初年度はトータル1,642,634円かかります。(参考:2023年度大学の学費平均額|旺文社教育情報センター)
前述の調査では一人暮らしをして大学に通う場合の住居費などは含まれていないので、さらに必要な金額は大きくなります。
車のローンや住宅・リフォームの購入費にも充てられる
車や住宅の購入、リフォームには大きな金額が必要になります。計画的にお金を積み立てていたとしても、物価高騰などにより、当初の見込みよりも高くなってしまうこともあります。
そんなときには不足分を従業員貸付で補うという手があります。
ただし車のローンや住宅購入、リフォームの資金としての利用は緊急的な出費とは見なされず、従業員貸付が利用できない場合もあり、企業によって対応が分かれるようです。これらの用途を考えている人は、申し込みの前に担当部署に確認しておきましょう。
(車のローンがきつい場合の対処方法はどうしたらいい?危険な対処法やマイカーローンで後悔すること等解説)
災害時の復旧費などの対応費
大きな災害が起こって、住宅が被害を受けた場合、修理や建て替えにかかる費用は非常に大きなものとなります。公的な支援や義援金だけでは、生活再建には十分な金額とはいえません。
例えば大地震が起こった場合、地震保険に加入していたとしても、補償金額は火災保険の保険金額の30%~50%となります。火災保険の契約では住宅の価値が保険金の上限となるため、地震保険から出る保険金だけで住宅を再建することは困難です。
そんなとき不足した金額を従業員貸付で賄うことができます。リフォームなどの住宅に関連したローンは銀行などでも用意されていますが、従業員貸付と比べて金利が高くなるため、従業員貸付の枠から利用する方が経済的だといえます。
冠婚葬祭
冠婚葬祭は細かなオプションで費用が予定よりも大きくなりがちです。そのような緊急の際には従業員貸付制度でお金を借りることができます。
冠婚葬祭にかかる費用は、祝儀や葬儀の種類、地域、規模、期間、参列人数などによって異なるとはいえ、高額になります。結婚式の場合、披露宴を含めた費用が300万円前後、一般的な葬儀の費用は188.9万円と言われています。
ご祝儀や香典で一部戻ってきますが、自己負担生じるため、見積もりなどで金額が分かった時点で申し込みしておきましょう。
参照:
・【結婚式のお金はいくら?】相場や項目別平均費用などまるっと解説!|ゼクシィ
・冠婚葬祭にかかる費用 | 葬儀のさがみ典礼
その他生活費
従業員貸付制度を利用するための理由として、生活費がないことが認められるかどうかは会社側が審査で緊急で必要と認定するかどうかにかかっています。社内の制度であるため、金融機関と比べると柔軟な審査が期待できます。
ただし、基本的には緊急性が高いことが従業員貸付の条件であるため、それを証明することや、見積書や領収書が必要となります。単純な生活費としての申請は難しいと考えてください。(明日生きるお金がない時はどうする?)
複数社の借金をまとめるのは応相談
基本的に従業員貸付制度は、使途が限定されており、ローンをまとめるために利用することは難しいといえます。
しかし、社員を経済的な困窮から守るために、例外的に認められることもあるようです。
会社からお金を借りるメリットは?
従業員貸付制度を利用して会社からお金を借りることの最大のメリットはなんといっても金利が低いこと。
消費者金融などでは多くの場合で15%以上の金利が適用されますが、従業員貸付ではなんと2%程度。これほど低金利でお金を借りられるのは、住宅ローンか奨学金くらいではないでしょうか。
さらに、審査も社外と比べると簡易的なため、お金を借りやすいといえます。企業によってはパートやアルバイトでも利用することもできます。
ただし、基本的に非常時の支払いに充てることを想定した制度なので、娯楽のために利用することはできません。
- 金利が2%程度で、消費者金融や銀行カードローンよりも低い
- 限度額が100万円以上の場合も
- 娯楽のための借り入れはNG
- 消費者金融や銀行よりも審査が甘く、パート・アルバイトも利用できることも
低金利での利用できる事が多い
従業員貸付制度は一般的に福利厚生として提供されているため、無理なく返済できるよう金融機関から融資を受けるよりも金利が低く抑えられています。
金利を比較してみると、消費者金融では3.0~18.0%、銀行カードローンでは1.5%~14.0%程度に対して、従業員貸付制度では0.9%~2.0%程度に設定されていることが多いようです。
福利厚生にもかかわらず無利息としていないのは、国税庁が定めた金利を下回ると、実際に支払う利息の額との差額が、給与として課税されてしまうためです。例外として、災害や病気が原因の臨時の支出を賄うための合理的な範囲の金額、返済期間であれば課税対象外となります。(参照:No.2606 金銭を貸し付けたとき|国税庁)
限度額も高い傾向にあり100万円以上の借入も可能
多くの企業の従業員貸付制度では勤続年数によって貸付上限金額を決めています。イメージとしては次のような形です。
- 3年未満:10万円
- 3年以上5年未満:30万円
- 5年以上10年未満:50万円
- 10年以上20年未満:80万円
- 20年以上:100万円
役職によって上限金額を変えているというパターンもあります。
- 一般職員:10万円
- 主任クラス:30万円
- 課長クラス:50万円
- 部長クラス以上:100万円
また、100万円前後を上限にしていることが多いようですが、企業によっては100万円以上借り入れに対応していることもあります。
高額の貸付は社員の経済的負担を軽減することが目的として、住宅ローンの頭金や、銀行や消費者金融からの借り入れをまとめるために利用されています。
このように貸付の規定は企業によって大きくことなります。詳しくは所属する会社の担当部署に確認してください。
ただしギャンブル(パチンコ・パチスロ含む)は認められない事もある
従業員貸付制度の利用目的として、パチンコやパチスロといった娯楽やギャンブルのためにお金を借りることは難しいです。これは、基本的に従業員が病気や災害など非常時に対応することを目的とした制度だからです。
規定を確認すると、従業員貸付制度の貸付の理由が限定されていると思います。
交遊費を目的にお金を借りたい場合には、消費者金融や銀行カードローンなどの使途が限定されていないローンが選択肢となります。
従業員の信頼度によるが審査は甘い:信用情報は加味されない
従業員貸付制度の審査について、詳細は各企業によって異なりますが、一般的には雇用形態や勤続年数、勤務態度、利用目的などが重視されます。消費者金融が銀行の融資と比べると、審査に通りやすいと言えます。
消費者金融や銀行カードローンに申し込んだときのように、信用情報機関への照会は行われません。そのため、過去に返済遅延などを起こし信用情報に傷がある人でも利用することができます。
消費者金融などの貸金業者は信用情報機関に顧客の信用情報を照会することが義務付けられています。一方で、従業員貸付制度は貸金業に当たらないため、照会なしで借り入れすることができます。
アルバイト・パート・派遣社員でも相談可能
従業員貸付制度は必ず正社員に限られているわけではなく、契約社員、アルバイト、パート、派遣社員でも利用できる場合があります。
非正規社員が利用できるかは規約を見るか、人事や総務などの担当部署に問い合わせてください。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の福利厚生に関する実態調査によると、従業員貸付制度(教育、結婚等住宅以外の臨時支出に対する貸し付け)のある企業のうち、非正規従業員にも適用している割合は29.4%に上ります。
また、今後、非正規従業員に従業員貸付制度を適用したいとする企業は6.1%でした。従業員貸付制度がない場合でも相談することで、制度創設に向けて進む可能性もあります。
参照:調査シリーズ No.203『「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」―企業/従業員アンケート調査結果―』|労働政策研究・研修機構(JILPT)
会社からお金を借りる従業員貸付制度の申込から融資実行までの流れ
従業員貸付制度は福利厚生の一つですが、お金のやり取りが発生するため、社内での審査があります。
審査自体は金融機関と比べてゆるいと言われていますが、手続きに関しては見積書や領収書が必要になったり、制度利用には雇用形態や勤続年数に条件があったりします。
申し込みから融資まで、必要な書類や注意しておく点を紹介します。
- 人事や総務などの従業員貸付を担当する部署に相談
- 貸付の申込書を記入
- 申込書と必要書類を提出
- 社内での審査
- 融資の実行
会社に提出する必要書類
従業員貸付制度の利用にあたっては次のような書類を提出する必要があります。
- 従業員貸付の申込書
- 借用書
- 連帯保証人の同意書
- 借り入れ理由の見積書や領収書
借用書(金銭消費貸借契約書)は、基本的には会社側が用意してくれますが、借り入れの金額や日付、返済方法、返済期限、利息、延滞損害金、連帯保証人など、重要な情報ばかりなので、誤りがないか必ず確認してください。
連帯保証人については、借り入れの金額など条件によって不要の場合もあります。例えば、10万円までの借り入れでは不要、それ以上の場合は連帯保証人が必要といったこともあります。
また、見積書や領収書など借り入れ理由となったことを証明する書類が必要になることもあります。必要かどうかわからない場合でも、念のため残しておくようにしましょう。
利用可能な雇用形態を確認する
福利厚生の一環である従業員貸付制度は利用できる雇用形態が限定されている場合があります。基本的に正社員であれば申し込むことができますが、パート、アルバイト、契約社員といった非正規雇用の場合は担当部署に確認してください。
正社員に比べて、非正規雇用は利用できないことが多いようです。ただし、パートやアルバイトでも、勤続年数が一定以上であれば申し込めるといった条件付きで利用できることもあります。
厚生労働省の調査によると、いわゆる正社員の離職率11.9%であるのに対して、パートタイム労働者は23.1%という結果が出ています。非正規雇用のほうが離職率が高いことから、貸し倒れを防ぐために正社員に限定することがあるようです。(参照:令和4年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省)
契約までに返済期限を相談しておく
返済金額や返済期限については、規定で定められた範囲内となるため、企業によってさまざまですが、多くは5年(60回払い)以内とされています。
これは借り入れ上限額が100万円程度となっていることや、毎月の負担が大きくなり過ぎないように設定されています。例えば、上限である100万円を返済期間5年、金利2.0%で計算すると、1ヶ月当たり約17,000円の返済になります。制度を最大限利用しても無理なく返済できる金額に収まります。
返済期間を短く設定することも可能なので、無理なく返済できる金額の範囲内で早めに返済することが、金利の負担を抑えることにも繋がります。
借入申込書(金銭借用証書)も必要
従業員貸付制度の利用には、貸付に関する証拠を残すことを目的に、借用書(金銭消費貸借契約書)も必要になります。
借用書(金銭消費貸借契約書)は、一般的には会社が用意したものに署名押印して完成させます。しかし、制度の利用があまりない場合や、制度ができたばかりでテンプレートがない場合には、利用者が準備したものを使っても有効です。
少額であっても、後々のトラブルを避けるために必ず借用書の作成、内容確認を怠らないようにしましょう。
また、従業員貸付制度の借用書は印紙税の対象となり、借入金額応じて課税されることが国税庁のウェブサイトで周知されています。
「金銭借用証書」は、借主が金銭を借り入れる際、借入金額、返済期日、利率、利息の支払方法等を記載して貸主に差し入れる文書であり、第1号の3文書(消費貸借に関する契約書)に該当し、その借入金額に応じた印紙税が課税されます。
従業員貸付制度の金利相場
多くの企業で従業員貸付制度の金利は0.9%~2.0%程度が多く、高い場合でも4%程度に設定されています。
これは国税庁で次のような基準が定められているためです。
・平成22年から25年中に貸付けを行ったもの:4.3パーセント
・平成26年中に貸付けを行ったもの:1.9パーセント
・平成27年から28年中に貸付けを行ったもの:1.8パーセント
・平成29年中に貸付けを行ったもの:1.7パーセント
・平成30年から令和2年中に貸付けを行ったもの:1.6パーセント
・令和3年中に貸付けを行ったもの:1.0パーセント
・令和4年中に貸付けを行ったもの:0.9パーセント
この基準よりも低い金利の場合、上記の金利で計算した利息と実際に支払う利息の差額が給与として課税対象となってしまいます。そのため、手続きが煩雑になることを防ぐために下限に当たる金利を設定しています。
申し込んでから融資実行までの時間の相場はどのくらい?
従業員貸付制度では申し込んでから融資の実行まで2~3週間程度かかります。今すぐお金が必要な時には適しません。
これは申し込みから、書類の作成、審査、契約書などの文書作成、振り込み実行とさまざまなプロセスが必要なためです。また、会社規模が大きくなるほど、審査や手続きを行う部署や担当者が増えるため、融資実行までに時間がかかるようになります。
即日融資には向いていない
従業員貸付制度は、担当部署へ書類を提出してから、社内審査、各種手続きと、お金が振り込まれるまで段階を経ていく必要があり、即日融資は事実上不可能と考えておきましょう。(一時的にお金を借りたい時はどうする?即日や審査なし・市役所や国で借りれる方法等を解説)
会社によって異なりますが、融資実行までには2~3週間かかります。さらに関係者が多くなる大企業ほど時間がかかる傾向にあります。
不慮の事故などの場合は難しいかもしれませんが、教育費や引っ越し費用、リフォームなどで貸付を受けたい場合は、お金が必要になると分かった時点や、見積もりを確認した時点で速やかに申し込みましょう。
連帯保証人の有無を確認しておく
従業員貸付制度で会社からお金を借りるには、家族や親族に連帯保証人になってもらう必要があります。制度の利用者が退職するなどして、返済が滞った場合に備えるためなので、ほとんどの場合で連帯保証人が必要になります。
稀に少額の場合に限り連帯保証人が不要という企業もあるようですが、基本的に必要だと考えておいてください。
返済方法は天引き・振替・振込がある
返済方法は主な選択肢として、給与からの天引き、口座振替、銀行振り込みの3つが挙げられます。
給与からの天引きと口座振替は一度設定してしまえば毎月自動的に返済されるため、うっかり忘れてしまう心配もありません。特に給与からの天引きは、残高不足の心配もないため、特別な事情がない限りは天引きを選ぶことをおすすめします。
天引きの場合は控除関連で手続きが必要
労働基準法により給与は、原則全額支払う必要があります。ただし、所得税や社会保険料など法律で定めがあるものに関しては、控除することが認められています。
従業員貸付の返済を給与から天引きにするためには適切な手続きが必要です。具体的には労使協定の締結と、従業員の自由意思による合意が必要になります。
労働組合または過半数を超える従業員の代表者と控除項目について定めた労使協定が締結されている必要があります。
自由意思による合意とは事前の十分な説明と、書面による同意が必要です。裁判になった場合にも自由意志であったことがかなり厳格に判断されるそうです。
また、天引きの上限額についても定めがあり、給与総額の4分の1に以下とされています。例えば、100万円の借り入れを5年で返済とするときの毎月の返済額は約2万円となります。貸付上限が比較的押さえられている従業員貸付制度で問題になることは少ないでしょう。
従業員貸付制度がない会社で借りる方法と従業員貸付以外の方法
従業員貸付制度がないからといって、すぐに転職するのは現実的ではありません。急にお金が必要になった場合には違う方法も検討しましょう。
緊急で資金が必要になった場合、会社に相談するのも有効です。大企業では難しいかもしれませんが、中小企業であれば理由を説明すれば社長が個人的にお金を貸してくれることもあります。
また、上司や同僚など会社の人、誰にもバレすにお金を借りる方法がいいという場合には、消費者金融や銀行で借りることがおすすめです。審査は社内に比べて厳しくはなりますが、即日の借り入れが可能だったり、用途が決まっていれば金利を押さえられたりといったメリットもあります。
- 社長に頼んで個人的に貸してもらう
- カードローンなら即日の借り入れも可能
- 銀行の目的別ローンなら金利を押さえられる
- 給与ファクタリングはヤミ金に注意
社長に直接相談して会社に借りる
お金が必要になったけれど従業員貸付制度がないという場合、経営層に対して制度の創設を検討してもらうこともできるでしょう。ただし、制度を新設するには、規定を改める必要もあり時間がかかります。
中小零細企業であれば、お金が必要になった理由を説明すれば社長が直接お金を貸してくれることもあります。この場合は、会社と個人のやり取りではなく、社長と個人の間での貸し借りになります。
個人間の金銭のやり取りはトラブルの種になりがちです。具体的な金額、期限、返済方法などを明確に定めておき、書面に残しましょう。契約書の形式を取るのが難しい場合は、記録に残るものであればメールやメモなど簡易的なものでも構いません。
カードローンでお金を借りる
勤め先企業に従業員貸付制度がない場合や、自分がパートやアルバイトなどで制度の対象外であるときはカードローンでお金を借りることも検討しましょう。また、急ぎでお金が必要な場面でもカードローンの利用は有効です。
また、カードローンの借入手続きは、インターネットや電話で申し込むことができるため、従業員貸付制度に比べて簡易です。審査が通れば、最短で即日の借入も可能です。最近では、カードレスタイプのサービスも多くなっており、スマホアプリを利用して、コンビニATMで借り入れすることもできます。
特に大手の消費者金融(アコム・プロミス・アイフルなど)では、郵送物や職場への電話による在籍確認がなく、家族や職場に知られずに利用できたり、無利息期間が設けられているといった利点もあります。
ただし、カードローンは従業員貸付制度と比べて金利が高いため、返済考慮して計画的に利用しましょう。
使いみちに合わせて銀行ローンで一括で借りると低金利
お金の用途が決まっている場合は、銀行の目的別ローンを利用すると、消費者金融や使用目的が定められていないフリーローンに比べて、低金利で借り入れすることができます。(銀行からお金を借りる方法!ローンの種類や条件や必要なもの・デメリットを解説)
目的別ローンは各銀行によってラインナップが異なりますが、代表的なものとして住宅ローン、マイカーローン、教育ローン、リフォームローンなどがあります。
具体的な金利をりそな銀行を例に紹介します。取引状況などによっても金利優遇があります。用途に合ったローンがあれば利用するほうがお得になります。
- フリーローン:年6.0%~14.0%
- 住宅ローン:年0.34%~5.06%
- マイカーローン:年1.6%~4.475%
- 教育ローン:年2.475%~4.475%
- リフォームローン:年1.9%~3.775%
参照:目的別ローン│りそな銀行
給与ファクタリングは高利貸しで違法
給与ファクタリングは、個人の給与を債権として買い取ってもらい、給料日前に現金化するグレーなお金の作り方です。
利用には15%~20%程度の手数料が掛かります。現在、給与ファクタリングは貸金業にあたるため、貸金業法が定める貸金業登録をする必要があります。
貸金業登録のない業者(ヤミ金)による給与ファクタリングは違法であり、年率換算で数百~千数百%という高額な利子や手数料を支払わされる、悪質な取り立てを行うといった事件にも発展しています。
警視庁をはじめ、金融庁や国民生活センター、自治体などから、無登録の給与ファクタリング業者に注意するよう周知されています。貸金業に登録されているかどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」から検索することができます。
参照:
・無登録の給与ファクタリング業者に注意!|警視庁
・ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁
会社から従業員貸付制度でお金を借りる時の注意点
従業員貸付制度でお金を借りた際に、留意しておくべきポイントがあります。最も気をつけておかなければならないのは、退職時に一括の返済が必要になるという点です。
通常、借り入れの返済はある程度の期間をかけて行うため、一括での返済は大きな負担となります。退職や転職を考えている人は制度を利用するかどうか、借入金額や返済期間をどうするか十分検討しておきましょう。
また、誰にもバレずにお金を借りることはできず、滞納は人事評価に影響することなどに注意が必要です。
- 退職時には残金の一括返済が必要
- 遅延・滞納は人事評価にマイナスの可能性も
- 誰にも知られずにお金を借りるのは実質不可能
- 贈与とみなされないように注意
- 勤続年数が短い場合には借り入れができないことも
返済中に退職すると一括返済を迫られることもある
従業員貸付制度は所属する社員への福利厚生の一環として提供されているため、退職時には残金を一括返済しなければいけません。
完済できない場合には連帯保証人に請求されてしまいます。もし、退職や転職を考えている場合には、借入金額を少額に抑えることや、従業員貸付制度以外の方法でお金を準備するなど、計画的に利用してください。
遅延・滞納すると出世や人事評価に響く可能性がある
一般的に福利厚生制度を利用したからといって人事評価が悪くなることはありません。そのため、従業員貸付制度を利用してお金を借りること自体は特に評価には影響しません。
しかし、返済を遅延したり滞納したりすると、人事評価に影響することがあります。従業員貸付は貸金業者からの借入ではないため、遅延が信用情報機関に登録されることはありませんが、ルールを守らない社員であるという印象を与えてしまいます。
また、再び従業員貸付を利用しようとする際には大きくマイナスの評価となり、審査を通らなくなる可能性が高いです。
社内・職場で借りたことがバレる可能性がある
従業員貸付制度の手続きは、申し込みから審査、融資の実行まですべて社内の人事や経理部などが担当するのが一般的です。そのため、手続きに関係する人たちには必ず制度の利用が知られてしまいます。(誰にもバレずにお金を借りるには?職場・家族に内緒でバレないカードローン等調査)
利用する人の氏名や借入金額などは個人情報であるため、基本的には保護されるはずですが、上司や同僚に借り入れがバレる可能性がないとは言えません。
誰にも知られずにお金を借りるというのは無理だと考えておきましょう。
無利息で110万円以上借りると贈与の対象になるので注意
一般的に1人の人が110万円を超えて財産を受け取った場合、贈与税が課されます。
借入金の返済能力や返済状況などから貸借であると認められる場合には、贈与にはなりません。しかし、その借入金が無利息である場合には利子に相当する金額が給与所得となり、所得税が課される場合があります。
また、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上、貸借としている場合には、借入金そのものが贈与として取り扱われ、所得税の対象となるため注意が必要です。
勤続年数が短いと借りられない場合もある
従業員貸付制度は、勤続年数によって借り入れ上限額が定められていることがあります。勤続年数が長くなるにつれて上限が上がる一方で、入社初年度は利用できないなど、勤続年数が短い場合には借り入れができない場合もあります。
制度利用の条件については、申し込む前に確認が必要です。
入社したばかりの人は消費者金融や銀行カードローンなど、従業員貸付制度以外の方法もあります。制度が利用できる時期までほかの方法も計画的に利用してください。
お金借りるEX:山口
非常に非常にお役に立ちますね!何か困っているとき機会があるときはお願いします。
従業員貸付制度は、年利1%〜6%と非常に安い金利でお金を借りることが出来るということを知りました。この方法を試してみたい。
お金を借りる際は金利のパーセンテージが非常に気になりますが、とても納得がいきました。
各社により金利は 、お金を借りる目的でも利用する
会社があるとわかりました
従業員貸付制度というものがあると初めて知った。今後、住宅ローンや車の購入を考えていたので、ぜひ利用してみようと思った。
親の自営業について役に立つかと思ったけど…
昔ながらの社長わし一人社員わし一人じゃあ、もう商売やめたら、以外にないなあ…、と思った次第。
いや、ほんなら違うとこ参考にしろよ、という話は既にナッシング。
地銀とか農協とか奴の周囲からは借りまくってるらしい。なんせ俺の知らん俺の生命保険担保に借りてもいるらしいので、俺は親死んでも自力本願や。てか親死んだら負債背た負うわ。相続放棄するけど。