求職者支援資金融資でお金を借りる時の条件・審査や返済方法など解説

技術や知識を吸収して、仕事に生かしていきたいと思っている人は多くいるはずです。パートやアルバイトの立場で安定した収入や、ずっと働ける職場を得ることを可能にするのはなかなか難しいものがあります。

新しい仕事を見つける際も、職業訓練を修了したことをアピールすることによって有利になります。

何か技術や専門知識があれば、より高額な収入とこの先ずっと働けるという見込みを手に入れることができます。また職場でリストラされるリスクも低くなるでしょう。

不幸にして勤務先の倒産や経営不振など急に仕事を失っても、職業訓練を受けたことで、転職も有利になります。

しかしながら、長い人生、働き続けるために、ハローワークの職業訓練を思い切って受講しようと心に決めた人もその期間の生活費の不足の不安で、決心が鈍りそうになるかもしれません。特に所帯を持っていて、生活を支える担い手であればなおさらでしょう。

そんな生活費の不足を補ってくれるのが求職者支援資金融資です。

この融資は将来ずっと安定して働き続ける力を蓄えようとする人を援助する公的な融資制度です。

この記事でわかること
  • 求職者支援資金融資は職業訓練受講給付金を受給している人または予定の人が対象
  • 求職者支援資金融資は職業訓練をする間の生活費を補う融資
  • 求職者支援資金融資の金利はかなり低め
  • 求職者支援資金融資はろうきんで融資も返済も行う
  • 求職者支援資金融資は職業訓練の間は返済なし

求職者支援資金融資制度とは

求職者支援資金融資制度求職者支援制度で、職業訓練受講支援金を受給する人に対して行われる融資です。

ずっと働いて安定した給料を得るために、職業訓練を受けて技術や知識を身につけることは、とても大切なことです。

職業訓練受講給付金を支給してもらってその受講料も援助されるのであまり心配ありませんが、職業訓練を受ける間、働いて収入を得ることはできません。家賃や毎日生きていくための食費や光熱費など生活費が不足することは十分予測されます。

この期間中、生活費など不足分を援助してくれる第三者がいる場合や立て替えて支払いをしてくれる人がいる場合は心配ありません。そうではない人は働くことを休んでまで職業訓練を受ける決心をなかなかできません。

そんな人に融資して、職業訓練を安心して受けてもらうことを目的としているのがこの求職者支援資金融資制度なのです。

働く人のための金融機関、ろうきんで融資が行われます。将来、少しでも良い条件でずっと働くためにこの融資を受けたいという意思をアピールして審査を通過することが、まず初めに必要なことです。

融資や返済はろうきん口座から行われますが、低金利で担保や保証人も必要ありません。融資の申請はハローワークで行いますが、融資実行までに時間がかかります。そのため、計画的に早めに申し込みをするとスムーズに融資を活用することができます。

いつから始まった?

リーマンショック後の雇用悪化の救済措置として2009年7月に求職者支援制度の前身である緊急人材育成・就職支援基金事業が始まり、その3年後の2011年10月に求職者支援制度が施行されました。

その中の職業訓練受講給付の受給実施に伴って、求職者支援資金融資も行われるようになりました。

問題点は?

求職者支援資金融資制度の問題点として気を付けておきたいポイントは以下の3点です。

  • 返済ができなくなる
  • 一括返済が必要になる場合がある
  • 融資までに時間がかかる

求職者支援資金融資制度は、給付制度ではないので返済義務は免れることはできません。必要以上の融資を受けると利子も多額になりますし、返済に行き詰ることも考えられます。

また、諸事情により職業訓練が途中で打ちきりになることもあります。その場合の手続きを早急に正確に行わないと、一括返済が必要になることもあり、家計にダメージを与えることがあります。

一括融資でもありますし、いくら低金利でも注意が必要です。

融資までに時間がかかるので、すぐにお金が必要な人には対応しきれません。

求職者支援資金融資制度の条件や利用方法・概要

求職者支援資金融資制度とは、ハローワークで行われる就職のための職業訓練を受ける際に給付金以外に融資を受けられる制度です。職業訓練を受ける期間、収入がなくなるか減ってしまう場合の生活費を援助しようというのが目的です。

そのため、

  • 求職者支援制度を利用して職業訓練を受ける人が受給する職業訓練受講給付金を受給している人
  • または、受ける予定のある人

がこの融資の対象となります。

融資は低金利で行われ、単身者は月々5万円、家族のいる人は10万円で最大12か月受給されます。

条件受給額受給期間
単身者5万円最大12か月
家族のいる人10万円最大12か月

 

ハローワークで申請し、審査に通ると予め開いておいたろうきん口座に一括で融資が行われます。

申し込みから融資が行われるまでに長いと2か月ほどかかることもあるので、求職者支援資金融資要件確認書が交付されたら早めに申し込みをします。

返済ろうきん口座から引き落としとなります。

 

年齢20歳以上65歳未満
金利年3.0%(信用保証料0.5%含)
遅延損害金年14.5%
借入限度額10万円×受講予定訓練月数(最大12)配偶者・父母、子がいる場合
5万円×受講予定訓練月数(最大12)独身者・単身者
申込方法ハローワークにて申請
申込から融資実行までのスピード2週間~2か月
返済方法労働金庫の口座からの自動引落にて返済
担保・保証人不要
取引手数料なし
口座ろうきん(労金)の口座が必要

制度の対象者・条件

求職者支援資金融資制度を利用できる人は、次の2つの要件を両方満たしている人に限られます。

職業訓練受講給付金の支給決定を受けた人

職業訓練受講給付金は月の収入が8万円以下、世帯収入が月額25万円以下、全ての職業訓練に出席する、不正により特定の給付金を受けていないことなど様々の支給要件があり、この審査を通過した人に限定されます。

  • 月の収入が8万円以下
  • 世帯収入が月額25万円以下
  • 全ての職業訓練に出席する
  • 同世帯の中で給付金を受けている人がいない
  • 過去3年以内に不正に特定の給付金の支給を受けていない
  • 現在住んでいる場所以外の土地や建物を所有していない

ハローワークで、求職者支援資金融資要件確認書の交付を受けた人

求職者支援資金融資要件確認書の交付を受けるには、職業訓練受講給付金の支給を受けてもなおかつ生活が困窮する状態であるなど融資を受ける理由を明確にする必要があります。

また返済する意思をハローワークで示すことも求められます。当然のことながら暴力団関係に公的融資は行いません。この融資を希望する人に対して家族を含めて暴力団に属していないか確認も行われます。

職業訓練受講給付金とは

ハローワークの職業訓練を受けている人がその期間、受給できるのが職業訓練受講給付金です。

これからの生活のために、再就職や転職を望む人を対象に自分の学びたい技術や知識を学んだり、資格取得のための職業訓練を受ける間、毎月10万円を給付される制度です。しかしすべての人が受給されるわけではなく、一定の条件を満たす人に行われる給付です。

職業訓練を受講している間、1か月ごとに職業訓練受講給付金として訓練受講手当、通所手当、寄宿手当を支給します。

訓練受講手当として月額10万円、通所手当として訓練場所に通うための定期乗車券など、上限42,500円まで支給されます。寄宿手当は訓練に配偶者や子、父母と別居して訓練を受ける必要があると認められた場合、月額10,700円支給されます。

手当受給額条件
訓練受講手当10万円/月訓練を受けている期間に対して
通所手当(定期乗車券など)上限42,500円/月自宅から訓練施設へ
寄宿舎手当上限10,700円/月配偶者や子、父母と別居して訓練を受ける必要がある場合

 

職業訓練とは

職業訓練とは、就職に生かせるような資格や知識を習得するために無料で受けられる講習のことです。

職業訓練には様々なコースがあり、就職先を探している人がさらに上の技術や資格を求めてキャリアアップし少しでも早く仕事が決まることを目指して行われています。

また、就職後の即戦力となり、より良い給料を目指すための訓練でもあります。

職業訓練のコース
基礎(ビジネスパソコン科・オフィスワーク科など)
IT営業・販売・事務
医療事務介護福祉
デザインその他

ハローワークで申し込みをして、面接や試験を受けて受講します。職業訓練を受講していると、就職の相談やサポートも受けられます。

 

職業訓練には失業保険を受給している人を対象にする公共職業訓練と失業保険を受給できない人向けの求職者支援訓練があります。

職業訓練対象者職業訓練種類
失業保険を受給している人公共職業訓練
失業保険を受給できない人求職者支援訓練

金利と借入限度額

貸付利率は信用保証料0.5%含んで 3%です。

他の金融機関で生活費の借入を考える場合と比較してかなり低めです。

例えば他から50万円の生活費を借り入れる場合、金利が低いところを選んでも、借入額が低いので10%を下回るところはなかなかありません

しかし、元金や利息の返済が遅れた場合には、年14.5%の延滞利息がつくので、注意が必要です。

借入限度額は、配偶者、父母、子がいる場合は月額10万円、独身・単身者の場合は月額5万円で、最大12か月分の貸付となります。

職業訓練対象者借入限度額
両親・子ども・配偶者(妻・夫)がいる場合10万円/月(最大12か月)
単身・独身・未婚者5万円/月(最大12か月)

 

銀行・消費者金融カードローンとの金利比較

銀行で融資を受ける場合、カードローンでキャッシングをしようとした場合、金利を比較してみると求職者支援資金融資制度の金利が圧倒的に低いということがわかります。

金融機関別融資商品名金利
求職者支援資金融資制度年3.0%
銀行カードローン年1.5%~14.5%
ネットバンクカードローン年1.5%~14.5%
消費者金融カードローン年3.0%~18.0%

 

ハローワークでの手続きの流れ

ハローワークで申し込みをします。

そこで借入を希望する理由、確実な返済意思の有無、暴力団に関係していないかなど確認の後、求職者支援資金融資要件確認書の交付を受けます。

  • 借入理由
  • 返済意思
  • 暴力団とは関係がない

職業訓練受講給付金受給決定を受けた後、ろうきんでの手続きをします。融資や返済は、ろうきん口座を使用しますので、同時にろうきん口座を開設しておきます。

ろうきんでも貸付の審査を行いますので、その審査を通過すると融資が行われます。

 

STEP.1
申請
ハローワークにて確認をして申請を行う
STEP.2
要件確認書を交付
ハローワークで貸付条件に合っているかどうかの判断を受ければ求職者支援資金融資要件確認書が交付される
その後、職業訓練受講給付金の支給決定
STEP.3
貸付手続き
ろうきん(労金)に必要書類を持参して貸付手続き
口座を持っていない場合には開設手続きも行う
STEP.4
審査
ろうきんの審査を受ける
STEP.5
貸付スタート
ろうきんの審査に通れば、貸付が受けられる

支給額の融資方法はろうきんの口座へ一括

融資を受けるための口座はろうきんに限定されています。

手続きや審査で時間がかかることが予想されます。ろうきんに口座のない人が融資を受ける場合は、予め口座を開設して融資実行に備えましょう。

ろうきんの審査に通ると、一括で本人口座に振り込みになります。一括で入金になるので、職業訓練が万が一打ち切りになった場合など考えて、計画的な使い方をしなければなりません。また、借りすぎにも注意します。

求職者支援資金融資制度の審査は厳しい?

求職者支援資金融資を受けられるのは、ハローワークで職業訓練受講給付金を受給しても生活が困窮するか、また返済の意思がはっきりしているかなどについて確認が行われた際に、融資の必要性確実な返済意思が認められた人のみです。

  • 融資の必要性
  • 確実な返済意思

それに加えて融資を取り扱うろうきんでも審査が綿密に行われます。

ろうきんは働く人みんなのよりよい生活を目指している非営利目的の金融機関です。そのため、融資によって他の働く人みんなに迷惑のかからないような運営を目標としています。そして審査に通過した人に対しては低金利の融資が行われます。そのためある程度、厳しい審査が行われています

他の金融機関と同様、信用情報機関の情報を得て融資希望者の過去から現在に至るまでの状態をよく調べて、審査の決定を行います

審査基準と審査にかかる日数

ろうきんでは信用情報機関から融資希望者の信用情報を得て、融資を行った場合の返済の能力を慎重に見極めます。

  • 過去にローンやクレジットカードの返済の滞納がないか
  • 既に多額の借金がないか

など精査します。配偶者も同様に審査されます。

いわゆるブラック情報が多いと審査に通ることができません。

ろうきんに書類を提出し申し込みをしてから審査が終わるまでには最短でも1週間以上かかります。審査が長引いた場合には2か月近くかかることもあるので、ろうきんの口座開設や申し込みはなるべく早く行うようにします。

申込み時の必要書類

ハローワークで求職者支援資金融資要件確認書が交付されたら、その書類と求職者支援資金融資支給決定通知書または職業訓練受講給付金を支給されたことを証明する書類(例えば給付金を受け取った時の給付金支給記録)などをろうきんに持参して申し込みをします。

これらはハローワークから発行される書類です。

その時、運転免許証やマイナンバーカードなど本人確認書類も必要です。

その他、それぞれのろうきんで手続きや審査に必要であるとされた書類の提出も行います。

求職者支援資金融資制度の返済時の注意点

訓練終了月4か月後の末日、貸付日から5年以内に返済を終了しなければなりません。ただし50万円以上の融資の場合は10年以内の返済が認められています。

最終返済時の年齢は65歳までと定められています。

訓練を途中で中止した場合は、1か月以内にハローワークに申し出を行わなければなりません。それを怠ると債務残高の一括返済を請求されることがあります。また、ろうきんにおいても、直ちに契約変更の手続きをしなければなりません。

また就職支援を受け入れなかったり、不正受給が発覚し職業訓練受講給付金が支払われなくなった時、確認申請書類などの虚偽記載があり融資を受けても不正に使用したことが明らかになった時も債務残高の一括返済をしなければなりません。また法律的にも罪に問われることがあります。

さらには職業訓練を正当な理由もなく欠席したり度重なる遅刻をした場合も融資額残高の一括返済を求められることがあります。

万が一、就職訓練を修了した後、就職がなかなか決まらない場合でも、返済を待ってくれることはありません。

必ず返済!返済の免除はできない

求職者支援資金融資は給付金ではありません。

融資は、必ず返済する義務があります。

利子もついてきますので、融資を受けたら返済する計画をしっかり立てるようにします。

職業訓練を受けている間は返済の必要がありません。

この融資は職業訓練を受けて技術や知識をつけることが、より良い条件の就職を可能にすることを目指しています。

職業訓練にまじめに取り組んで、納得のいく就職口を見つけて働くことができれば、返済も無理なく続けていくことができます。

一括返済になってしまう可能性アリ、不正受給は絶対にしない!

職業訓練を中止したら直ちにハローワークやろうきんに届け出しましょう。1か月以上、手続きをしなかったり職業訓練受講給付金や融資を不当に受け取ると、一括返済を請求されます

ハローワークの就職指導など就職に向けた働きかけを無視したり、提出書類に虚偽の申告をしたり、正当な理由もなく職業訓練の出席がなされていないなどで職業訓練受講給付金が中止されると、求職者支援資金融資も受けられなくなり、一括返済を余儀なくされ、法的にも罪になることがあります。

ハローワークやろうきんに対して嘘のない申告をしなければなりません。見つからないだろうと甘く考えていても不正をすると今後の審査や就職活動にも大きく響きます。

求職者支援資金融資制度の審査に落ちた時の対処方法

将来の収入アップのためにも、どうしても職業訓練を受けたいと思っていても、生活が厳しいにもかかわらず求職者支援資金融資制度を利用できない人のために、生活福祉資金貸付制度という公的な制度があります。

生活福祉資金貸付制度は金融機関からの貸付ができない生活困窮者に対して行う貸付です。

その代表的なものが総合支援資金で生活支援費、一時生活再建費などです。特に一時生活再建費の中には就職や転職のための技能習得の必要経費、その期間の生計を維持するための経費が含まれています。

無収入であると他の金融機関からもなかなか借入できないので、職業訓練期間中無収入でもお金を貸し受けてくれる公的貸付制度は貴重です。

公的貸付制度は、無利子で行われたり、金利も低金利なので、本当に生活に困窮し、なおかつ真面目に職業訓練を受けようとする人に取っては、助け舟となる貸付制度です。

市役所で借りる生活福祉資金貸付

生活福祉資金貸付制度は失業などで一時的に生活に困窮した人の生活を助けるための支援制度です。本来、経済的な自立を目指している低所得者の人に対するセイフティネットの一つでもあります。

生活福祉資金貸付制度には

  • 失業した人
  • 休職中である人
  • 職業訓練中で収入がない・減収した人

への支援が含まれる新しい資金に総合支援資金があります。

生活費が不足して困っている人に対して、ハローワークや社会福祉協議会などが就労支援の働きかけ、家族の生活などの継続的な相談支援を行いながら、生活費や一時的な資金の貸付けを行います。

総合支援資金には、

  • 生活支援費
  • 住宅入居費
  • 一時生活再建費

があります。

特に一時生活再建費には就職や転職のための技能習得費が含まれるので生活を軌道に乗せるまで一時的に毎日の生活費を借入することができます。

総合支援資金は連帯保証人を立てた場合には無利子いない場合には年1.5パーセントの低金利で貸付が行われます。

カードローンを検討す

失業中、求職中の人がカードローンに契約するのはかなり困難です。

カードローンには利子もついて元金と利息は必ず返さなくてはならない契約となっています。無職の人は、返済能力が見込めないと判断されるため、審査に通ることは難しいのです。

しかし、休職中ということで勤め先に籍があったり、職業訓練を受けながらパートやアルバイトなど収入のある場合はカードローンを使えることもあります。

審査に通っても返済はずっとついて回るので、必要以上の借入は控えなければなりません。

どちらにしても求職中にカードローンを使用することは基本的に難しいので、手続きに必要な書類をきちんと揃え、市役所や社会福祉協議会、ハローワークなどが窓口となっている公的な貸付制度を利用することが大切です。

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