任意整理

任意整理しない方がいいケースとは?しなければよかったと後悔しない為に任意整理後の生活への影響・デメリットや個人再生・自己破産との違い等解説

  • 任意整理しない方がいいケースとは?
  • 任意整理しなければよかったと後悔しない為にできることは何?
  • 任意整理後の生活への影響・デメリットや個人再生・自己破産との違い等について解説していきます。

借金の返済が困難となり債務整理を検討している際に、多くの人が選択肢のひとつとして考えるのが「任意整理」という借金の減額方法です。

しかし、任意整理をすると借金の負担が減るということは何となく分かっても、任意整理後の生活に何らかの支障が出るのではないのかと不安に感じる人も少なくありません。

この記事では、任意整理を検討している人に向けて分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること
  • 任意整理少額の借金や低い利息の場合、減額効果は低い
  • 任意整理後はクレジットカードが停止、新規作成も不可
  • 任意整理しても一定期間経てばブラックリストから消える
  • 任意整理の条件は、安定した収入と完済可能な借金額
  • 任意整理は利息カット、個人再生・自己破産は元金が減る

【要確認】
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【目次】このページ先読み

任意整理しない方がいいケースとは?しなければよかったと後悔する前に。

任意整理はいくつかある債務整理の中でも、比較的手続きが簡単でデメリットも少ない借金の減額方法ですが、人によっては任意整理をしない方がいいケースもあります。

ここでは、任意整理をしない方がいいケース7つを解説していきます。

  • 借入額が少額で弁護士費用を上回る場合
  • 減額したとしても、返済できる安定した収入がない場合
  • 銀行からカードローンを借りている場合
  • 債権者が強制執行の準備を進めている場合
  • ブラックリストに載ることで、生活に影響が大きく出る場合
  • 任意整理に応じない貸付業者から借りている場合

手間やお金をかけて任意整理をしたにも関わらず、借金が減らないどころか生活に支障が出る場合もあります。

任意整理をしたあとに、しなければよかったと後悔しないためにも、しっかりと内容を理解して参考にしてください。

借金の金額が少ない、弁護士費用の方が高くなるケース

借金の金額が少額の場合、弁護士費用の方が高くなるケースがあります。

任意整理は将来に支払う分の利息をカットできるといった債務整理ですが、借金の金額が少額の場合はカットされる利息分よりも弁護士費用の方が高くなってしまうことがあります。

例:金利年率15%で30万円を借り入れて、毎月3万円を返済している場合

支払総額:322,379円(利息分:22,379円)

支払回数:11回=11か月

30万円を借りた場合、支払う利息は22,379円です。

一般的に任意整理にかかる弁護士費用の相場は1社につき3~9万円と言われているため、上記のような場合だと弁護士費用の方が高くなります。

弁護士に任意整理を依頼すると、お金がかかる上に手続きに必要な書類の準備など手間もかかります。

任意整理をしたとしても元金の支払い義務は無くならないので、借り入れ金額が少ない場合は、任意整理を検討する前にまずは返済計画の見直し等を行ってみてください。

借金額を減らした額でも返済ができない収入であるケース

任意整理を行い借金額を減らしても返済ができない収入である場合は、任意整理が難しい可能性があります。

任意整理を行うためにはいくつかの条件があります。

  • 支払う意思・能力があること
  • 3~5年で完済できる見込みがあること

任意整理を行い、「利息」と「遅延損害金」をカットして元金のみの返済になったとしても、収入が少なく3~5年(36〜60回)で返済できない場合は、条件を満たすことができないため任意整理をすることができません。

例えば、任意整理後の借金が100万円の場合、毎月の返済額は27,778円(36回払い)~16,667円(60回払い)となりますが、毎月確実に返済できる収入がない場合は、任意整理は難しくなります。

収入は正社員でなくても安定した収入があれば任意整理は可能なので、毎月の手取り額からいくら返済に回せるのか確認してみてください。

銀行のカードローンからの借入

銀行のカードローンからの借入の場合、任意整理を行うと口座が凍結される恐れがあります。

凍結は預金残高を借金の返済に充てるために行われ、口凍結期間は3カ月程度が一般的です。

口座が凍結されている間は、預金の引き出しや振込など一切の手続きをすることができないため、生活に支障が出る可能性が高く、そのまま強制的に口座が解約となるケースもあります。

ただし、任意整理を行うとすべての口座が凍結されるわけではなく、任意整理をする銀行カードローンと同じ銀行の口座を持っている場合に凍結されます。

任意整理の対象となる銀行のカードローンの銀行口座を持っている人は、任意整理を行う前に、「残高を引き出しておく」「給与支払いの口座を変更する」など対策が必要となってきます。

金利が低いケース

任意整理は金利が高いほど借金減額の効果は大きいため、金利が低いと任意整理をしてもあまり減額は期待できず、わざわざ任意整理をするメリットが少ないことがあります。

また借金によっては任意整理によるメリットが少ないだけでなく、むしろデメリットの方が上回ってしまう場合もあるので慎重に検討する必要があります。

ここでは、借金の金利が低いケースの任意整理について解説していきますので、任意整理を検討すると共に任意整理以外の適した債務整理の方法がないかどうかも、併せて検討してみてください。

奨学金

奨学金の場合、金利は最高でも3%までと上限が決められているため、任意整理をしても減額できる金額はさほど大きくありません。

それどころか、任意整理を行うことで一定期間ブラックリストに載ってしまうため、クレジットカードが作成できなくなる等の制限が発生することから、奨学金の返済に任意整理を利用することは得策ではありません。

奨学金の返済で困ったときには、日本学生支援機構では返済期限を延期する「返還期限猶予制度」や、毎月の返還額を減らす「減額返還制度」といった救済制度があります。

返還期限猶予制度と減額返還制度は、制度を利用して返済期限が延びたとしても利息がつくこともないので、奨学金の返済に困ったときには検討してみてください。

住宅ローン・マイカーローンなど

住宅ローンの金利は0.5~1.5%・マイカーローンは1~2%とどちらも金利は低いため、任意整理をしても借金減額の効果は少ないです。

しかも、住宅ローンやマイカーローンは家や車を担保にお金を借りているため、任意整理の対象にしてしまうと任意整理には応じてもらえないどころか、借金回収のために住宅を競売にかけられてしまったり没収されてしまう可能性が高いのです。

任意整理は整理する対象を自由に選ぶことができます。自宅や車を手放したくない場合は、住宅ローンやマイカーローンは対象から外して任意整理を行うことが得策です。

自宅を残したまま借金自体を減らしたい場合には、個人再生における「住宅資金特別条項」といった方法でも、自宅を処分せずに借金を整理することができます。

住宅資金特別条項とは個人再生によって借金を整理したとしても、住宅ローンの支払いは残したまま他の借金を減額・分割払いで返済することが可能になる制度で、自宅は残したい場合に有効な方法です。

既に強制執行・差し押さえの手続きがスタートしているケース

借金の滞納が続くと債権者(お金を貸した側)が訴訟を起こして、給与を差し押さえるなどの強制執行をされるケースがありますが、任意整理をしても強制執行を止めることはできません。

強制執行を停止させるには裁判所の許可が必要となりますが、任意整理は裁判所を介さない手続きのため、強制執行を停止させる効力はありません。

強制執行を止めたい場合は、任意整理ではなく裁判所を介して手続きを行う「個人再生」や「自己破産」であれば止めることができます。

しかし、強制執行の手続きは債権者側(お金を貸した側)が、借金滞納で音信不通の相手に対しての最終手段として行う場合も少なくありません。

債権者側が、相手に対してどうにかして連絡を取りたいといった意図で強制執行を行ったのであれば、強制執行の手続きが開始されたときに、弁護士を通じて返済についての交渉をすれば強制執行を回避できる可能性もあります。

信用情報がブラックになることの影響が大きいケース

任意整理を行い信用情報がブラックになることの影響が大きいケースも任意整理は行わない方がいい場合があります。

任意整理を行うと、一定の期間は信用情報機関に「事故」として情報が記載されます。

ブラックリストと呼ばれることが多いですが、任意整理を行うと手続き後~借金を完済して5年程度経過するまでは、このブラックリストに記載された状態となります。

ブラックリストに載っている期間は、銀行や消費者金融からの借り入れができなくなるため、住宅ローンを組んだり事業資金を調達できなくなります。

結婚後は、マイホームやマイカーを購入する機会も出てくるかと思いますが、ローンでの購入は不可能となるため結婚を控えている場合は、任意整理を行うか慎重に検討する必要があります。

また、自分で事業をしている人や起業予定の人であれば、事業資金を借りることはできなくなるので、任意整理後の生活も含めて考えてみてください。

任意整理に応じない金融機関・業者からの借り入れであるケース

任意整理は裁判所を介さない手続きとなるため、任意整理に応じない金融機関・業者もいます。

任意整理は言葉の通り「任意」であり、任意整理に応じるかどうかの決定権は相手側にあるのです。

従って、業者は必ずしも任意整理に応じる義務はなく、法的な効力もありません。

任意整理に応じてくれない業者とは知らずに手続きを行ってしまうと、無駄な時間や労力を使ってしまう可能性があるため、事前に把握しておくことが大切です。

任意整理に応じない業者一覧

任意整理はほとんどの業者が応じてくれますが、中には任意整理に応じない業者も存在します。

任意整理に応じない業者の一覧は以下の通りです。

会社名 概要・特徴
日本保証 Jトラストの完全子会社で、旧社名は株式会社日栄、株式会社ロプロ です。2010年に武富士の消費者金融事業を吸収合併し、2015年からは新規貸付は中止しています。
アペンタクル 元株式会社ワイドという会社名で消費者金融業を行っていました。現在は貸付業は行っておらず、債権の回収のみとなっています。
CFJ CFJ合同会社は、ディック、アイク、ユニマットライフの3社で貸付業を行っていましたが、平成22年9月以降は新規貸付を中止し、顧客の債権回収のみを行っています。
クレディア 2007年に経営困難により民事再生の申し立てを行いましたが、その後2015年に株式会社フロックスに吸収合併され貸金業から撤退しました。
フクホー 関西で有名な中小消費者金融です。大手にはない借りやすさが評判ですが、任意整理では利息をカットした返済計画には応じてくれません。

任意整理に応じてもらえない場合は、任意整理の対象から外すことを検討するか、もしくは「個人再生」や「自己破産」などが有効です。

個人再生や自己破産は裁判所の決定に基づき、強制的に借金を減額・免除することができるので、任意整理に応じてもらえない場合は検討してみてください。

任意整理したあとに後悔しない為にしっておきたいやばいデメリット

ここでは、任意整理したあとに後悔しない為にしっておきたいやばいデメリットについて解説していきます。

任意整理は利息がカットされて毎月の返済の負担が軽くなるという大きなメリットがありますが、デメリットももちろんゼロではありません。

ここでは、任意整理のデメリットを4つ説明していきます。

  • クレジットカードが停止される・新規申し込みができない
  • カードローンを利用した借入れができなくなる
  • 保証人・連帯保証人になる権利がなくなる
  • 保証人を設定している借金は、保証人に一括請求の義務が生じる

任意整理によるデメリットが生活にどのような影響が出るのかは、人によってさまざまです。

具体的なケースで説明していきますので、任意整理後の生活に不安を感じている人は参考にしてみてください。

クレジットカードが使えない、作れない

任意整理をしたあとは、既に持っているクレジットカードは使えなくなり、新規のクレジットカードも作れなくなります

任意整理をすると、債務整理の対象としたクレジットカードは強制解約となります。

ほぼすべてのカード会社で、債務整理は強制解約事由であると規約により定められているからです。

また、任意整理をするとブラックリストと呼ばれる、信用情報に「事故」として登録されます。

信用情報とは信用情報機関が取り扱う、個人の信用情報のことで「クレジットカードの契約内容」や「借金」など、お金に関する情報が記載されています。

金融機関は、新規のクレジットカード申込みがあった際に、個人の信用情報を照会して支払い能力を審査しますが、その際「事故」と登録されていると新規でのクレジットカードの審査はまず通りません。

そのため、任意整理を行うと新規でのクレジットカード作成は不可能と言えます。

ブラックリストに記載される期間は、完済から5年程度です。

例えば、返済期間が3年かかったとすると、そこから5年なので約8年間はカードの使用ができないということになります。

クレジットカードが使用できないと日常生活に支障が出る人も多いので、事前に把握しておくことが重要です。

カードローンの審査に通らず借入れできない

任意整理を行うと、カードローンの審査に通らないので借入れができなくなります。

カードローンは申し込みをすると、審査時にブラックリストに記載されているかどうか確認されます。

任意整理によってブラックリストに記載されていると、返済能力がないとみなされ、金融機関は損失のリスクが高いため審査には通りません。

任整整理をしたあとに、「生活資金が足りない」「もう少し手持ちが欲しい」と思ったとしても、カードローンで借入れできる可能性はほぼないと認識しておく必要があります。

保証人・連帯保証人にはなれない

任意整理をした人は、保証人・連帯保証人にはなれません。

そもそも保証人・連帯保証人とは、債務者(お金を借りた側)が借金の返済ができないときに代わりに支払いの責任を負う人のことです。

任意整理をしてブラックリストに記載されている人は、支払い能力がないと判断されるため、保証人や連帯保証人にはなることができないのです。

借金の保証人・連帯保証人にはなれませんが、賃貸住宅の入居時の保証人・連帯保証人に関して基本的に可能です

ブラックリストを参照できるのは金融機関に限られており、不動産会社はその人がブラックリストに記載されているかどうかは知る方法がないため、賃貸住宅の場合であれば保証人や連帯保証人になることができます。

ブラックリストの記載からなくなると保証人・連帯保証人になることは可能ですが、それまでは保証人や連帯保証人を頼まれたとしてもなることはできないと把握しておいてください。

保証人がいる場合、保証人に一括請求がくる可能性がある

保証人がいる場合に任意整理を行うと、保証人に一括請求がくる可能性があります。

保証人を設定している借金を任意整理をすると、原則的には保証人に債権者から借金の一括請求が行われます。

保証人は一括請求されると、

  • 一括請求に応じて支払う
  • 支払能力がない場合、債務整理を行う

こういった対応をしなければなりません。

債務整理したことが保証人にバレてしまう上に、大きな負担をかけることとなります。

保障人に迷惑をかけずに任意整理をする方法としては、保証人を設定している借金は任意整理の対象外とする方法があります。

任意整理は債務整理する借金の対象を自由に選択できるため、保証人付きの借金以外の借金を任意整理することが可能です。

保証人に負担をかけずに任意整理をしたい場合は、対象から外して手続きを行うといった方法を検討してみてください。

任意整理をすると人生終わりなのか、任意整理後の生活への影響

任意整理をすると人生終わりなのか、任意整理後の生活への影響について解説していきます。

任意整理をするとブラックリストに記載されてしまうことから、人生の終わりと考えてしまう人も少なくありません。

しかし、任意整理を行わず借金の返済が滞ってしまうと、借金がどんどん増えていき最終的には返済不可能となり、自己破産などを検討せざるを得ない状況へと追い込まれてしまうこともあります。

任意整理は比較的生活への影響も少なく、周囲へバレる可能性も低いので、任意整理を行っても人生=終わりとはなりません。

  • ブラックリストにずっと記載されてしまうのか
  • 所有している財産は手放さなければならないのか
  • 周囲にバレていまうのではないか

任意整理をした後の、生活への影響について心配事がある人にも分かってもらえるように、書いていきます。

借金返済後5年経過すると信用情報の事故歴が消える

任意整理をしても、借金返済後5年経過すると信用情報の事故歴が消えます。

信用情報の事故歴とはいわゆるブラックリストのことですが、このブラックリストへの記載は永久に消えないわけではありません。

ブラックリストを管理している信用情報機関では任意整理の事故歴に関する登録期間は、完済後5年と決められています。

5年が経過すれば事故歴は消除されるため、クレジットカードの作成や借入れを行うことができるようになります。

事故歴が消えているかは自分で確認することもできるので、心配な人は信用情報機関に開示請求を行って確認してみてください。

所有している車や家を手放さなくてもよい

任意整理は他の債務整理とは違い、所有している車や家を手放さなくてもよい場合が多いです。

車や家は手放すと不便が生じることが多いため、なるべく避けたいと考えるのが一般的です。

自己破産であれば、車や家が没収となるパターンが多くありますが、任意整理は基本的には財産を没収されることはありません。

所有している車や家は、ローンの支払いが終わっている場合はそのまま保有することが可能であり、ローンの支払いが途中でも、任意整理の対象から外せば回収の対象にはならないため、手放さなくても良いのです。

持ち家やマイカーに関しては、任意整理における影響は限りなく少ないと言えます。

家族や職場にバレることもなく今まで通りの生活ができる

任意整理などの債務整理は個人の借金整理なので、家族や職場にバレることはなく今まで通りの生活ができます。

特に任意整理は債務整理の中でも、手続きの特徴から周囲にバレにくいと言えます。

  • 裁判所を介さないので出頭する必要がない
  • 家や車を差押えされない
  • 必要書類が比較的少ない

裁判所に行く必要がある手続きの場合、会社を休んだりする必要があるので怪しまれる可能性は高くなりますが、任意整理ではその心配はありません。

また、自己破産や個人再生は必要書類の中に「退職金見込額証明書」といって会社に発行してもらう証明書が含まれますが、任意整理で必要な書類は自分で用意できるものばかりです。

ローンが組めない・カードが作成できないなど、任意整理もバレるリスクが全くないというわけではありませんが、基本的にはこれまでと変わらない生活を送ることができます。

そもそも任意整理とは

ここでは任意整理について解説していきます。

借金を減額したい思ったときに利用する債務整理にはいくつか種類がありますが、その中でも任意整理は最小限のデメリットで借金の負担を軽減できると言われています。

ただし、任意整理を行うには一定の条件を満たしておく必要もあります。

任意整理を行う前に特徴や条件をよく確認して、理解を深めてください。

債務整理の中の一つの手段

任意整理とは、債務整理の中の一つの手段です。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類の方法があり、どれも借金を減額・免除するための手続きです。

※「特定調停」というものもありますが、デメリットが多く減額効果が低いため、こちらは現在あまり利用されていません。

任意整理は、債権者と直接交渉を行うことにより、将来支払う分の利息をカットしてもらった上で、残りの元金を3~5年かけて分割で返済するといった返済計画を認めてもらい和解する手続きです。

借金の元金が減るケースはほぼありませんが、利息のカットや遅延損害金の免除ができるため、金利の高い金融機関などで借り入れをしている場合は、任意整理をすることで借金の負担が軽減できます。

3種類ある債務整理の中ではデメリットも比較的少ないため、最も使われるケースが多いと言われています。

項目 任意整理 個人再生 自己破産
借金の減額 ×
利息のカット
裁判所の手続き ×
ブラックリストにのる
財産を残しておける ×

任意整理は裁判所が関与しないため裁判所への費用も発生せず、手続きも早ければ3カ月ほどで完了することができます。

財産を残しておくこともできるので、任意整理後の生活に出る影響も少なくて済みます。

ただし、任意整理は誰でも行える手続きではありません。

任意整理を行うためにはいくつかの条件があり、その条件を満たした場合にのみ任意整理を行うことができます。

任意整理するための条件

任意整理の条件として求められるのは、主に「支払能力」と「支払意思」です。

任意整理は、利息をカットしてもらい元金のみとなった借金を、3~5年かけて支払う手続きです。

利息をカットしてもらったとはいえ、3~5年もの長い期間ずっと返済をし続けなければならないので、ある程度の支払い能力と支払う意思がないと任意整理は利用できません。

ここでは具体的な条件を説明しますので、任意整理が利用できるかどうかの参考になさってみてください。

安定した収入がある

任意整理は和解成立後も、3~5年と長期間に渡り返済をしなければならないため、安定した収入があることが求められます。

任意整理を行っても元金は減らないことが多いため、それなりの返済を行っていく必要があり返済し続けられるだけの収入がなければ、任意整理を行うことはできないのです。

雇用形態に決まりはないため、アルバイトやパート、派遣社員などでも、安定した収入があると認められれば任意整理することが可能です。

3~5年で完済の目途がつく借金額である

任意整理後に支払う借金総額が、3~5年で完済の目途がつく借金額である必要があります。

安定した収入があったとしても、返済に回す余裕がなければ任意整理をしても無駄になります。

3~5年で完済の目途がつく目安としては、月々の収入から生活にかかる必要経費をすべて差し引き、残ったお金を返済にあてれば期間内に完済できるかで判断できます。

例えば、収入から生活費を差し引いた後に使える金額が1万円だった場合、5年かけて返済すると、「5年×12カ月×1万円=60万」となるため、借金の総額が60万円を超える場合には任意整理は難しくなるのです。

2回目の任意整理ではない

2回目の任意整理ではないことも、任意整理を行うためには必要な条件です。

厳密に言うと、任意整理に回数制限は法律上ないため、何度でも行うことは可能です。

しかし、借金の返済が困難なことから、任意整理によって返済額を減らしてもらったにも関わらず、再び任意整理を行いたいと申し出たとしても、応じてもらえる可能性は限りなく低いです。

また、1回目の任意整理でほとんどの場合は利息がカットされているため、2回目には減額できる対象もなく、借金の減額は難しいことが多いです。

例外として、2回目に行う任意整理の対象が、1回目に行った任意整理の対象の金融機関とは別の場合は、問題なく応じてもらえるケースがほとんどです。

任意整理できない条件

任意整理できない条件について解説していきます。

任意整理は法的効力のない制度なので、応じてもらえるかどうかは「債権者次第」です。

そのため、手続きにおけるルールも特にないのですが、ここでは一般的に任意整理に応じてもらえる可能性が非常に低いケースをまとめました。

任意整理を行えるかどうか不安な人は参考になさってみてください。

借入期間が短い、返済回数が少ない

借入期間が短い、返済回数が少ない場合だと、任意整理に応じてもらえない可能性が非常に高いです。

任意整理は利息をゼロにする制度なので、借入期間が短期間だったり、返済回数が少ししかないケースで任意整理に応じてしまうと、債権者にとってはあまりにも損失が大きくなってしまいます。

また、借入から短期間で任意整理を申し入れると債権者から、もともと借金を返済する意志がなかったのではないか、と疑われることもあります。

債権者から疑われてしまうと、「返済意志のない誠意のない債務者」とみなされて任意整理には応じてくれなくなってしまう可能性が高くなります。

借入後、すぐに任意整理の申し出をすることのないように、気を付けてください

無職・収入がない

無職・収入がないケースも任意整理はできません。

任意整理の注意点は、「元金の返済は必要である」ということです。

個人再生や自己破産のように元金の支払いが免除されるわけではないので、一定の額を返済していく義務があるので、無職や収入がないケースの場合、任意整理は申し込めません。

ただし、本人に決まった収入がなくても、資産を切り崩したり親族からの援助などを受けることで、毎月の返済ができる場合には任意整理できるケースもあります。

弁護士に頼まず債務者自ら交渉する

弁護士に依頼せずに、債務者が自ら交渉すると任意整理に応じてもらえないことが多くあります。

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉する手続きなので、自分で手続きをすることも可能です。

しかし、個人で和解交渉をしようとしても、相手にしてもらえないことがほとんどです。

和解交渉に慣れていない債務者との話し合いは、債権者にとっても手間がかかるため、個人からの交渉には応じないと社内規定で決められている業者もあります。

交渉に応じてくれたとしても、不利な条件で和解を成立させられてしまう可能性もあるため、よほど法律に詳しくない限りは、個人での任意整理の手続きは行わないのが無難です。

任意整理手続きの流れ

ここでは任意整理をするときに把握しておきたい、任意整理手続きの流れについて解説していきます。

任意整理は一般的には以下の流れで進んでいきます。

  1. 任意整理の相談・依頼
  2. 債権者へ受任通知の送付
  3. 取引履歴の開示請求・利息の再計算
  4. 債権者との和解交渉
  5. 和解成立(返済開始)

手続きの期間は、任意整理の相談・依頼~和解成立(返済開始)まで通常3~6ヶ月ほどで完了しますが、債権者との和解交渉がまとまらずに長引くと、さらに期間が延びるケースもあります。

手順が多いと感じた人もいるかもしれませんが、任意整理は弁護士や司法書士に依頼すれば、手続きのほぼすべてを行ってくれます。

裁判所への出頭もないため、手続きとしては比較的難しくはないと言えます。

任意整理と個人再生の違い

任意整理と個人再生の違いについて説明します。

任意整理 個人再生
  • 利息のカットのみ
  • 裁判所を介さない
  • ブラックリストに載る期間は完済後から5年
  • 財産は残しておける
  • 官報に掲載されない
  • 債務の対象を選べる
  • 借金を大幅に減額できる
  • 裁判所の許可が必要
  • ブラックリストに載る期間は手続き終了から5~10年
  • 財産は残せる場合もある
  • 官報に掲載される
  • すべての債務が対象になる

任意整理が利息カットのみに対し、個人再生は借金の1/5~1/10まで減額されるのが大きく違う点です。

借金総額が比較的多いケースだと、任意整理で返済するのは難しくなるため、個人再生を選択した方がよい場合もあります。

個人再生後の支払額に影響することはありますが、財産も強制的に没収されることはありません。

しかし、個人再生は裁判所を介す手続きのため、官報に掲載されたり、債務の対象が選べないため保証人付きの債務であったとしても債務の対象に含まれます。

借金総額が比較的少ない、周囲にできるだけばれたくない、保証人に迷惑をかけたくないといった人には任意整理が向いていると言えます。

任意整理と自己破産の違い

任意整理と自己破産の違いについて説明します。

任意整理 自己破産
  • 利息のカットのみ
  • 裁判所を介さない
  • ブラックリストに載る期間は完済後から5年
  • 財産は残しておける
  • 官報に記載されない
  • 仕事への影響はない
  • 借金は全額免除される
  • 裁判所の許可が必要
  • ブラックリストに載る期間は手続き完了から5~10年
  • 一定額以上の資産は没収される
  • 官報に記載される
  • 資格制限により職業によっては影響が出る

自己破産は基本的に借金がすべて帳消しとなるので、手続き後は支払いが無くなるのが任意整理との決定的な違いです。

ただし、自己破産は20万円以上の財産や、99万円以上の現金は没収の対象となるため、ほとんどの場合で持ち家や車を手放さなければなりません。

また、自己破産は資格制限がかかるため、士業(弁護士、司法書士)や警備員などの職業に就いている人は影響が出ることもあります。

自己破産は任意整理と比べてデメリットが多いですが、自力では到底返しきれないほどの借金を抱えている、安定した収入がないといったケースだと、自己破産を選択せざるを得ない場合もあります。

まずは任意整理を検討し、難しそうな場合には自己破産を検討することをおすすめします。

任意整理は会社にばれるのか

任意整理をすると会社にばれてしまうのか不安に感じる人も多いかもしれませんが、会社にはばれません。

任意整理の手続きを行ったとしても、会社に通知が届くわけではないからです。

また、任意整理は裁判所を介さないので、個人再生や自己破産のように会社に用意してもらわなければならない書類もなく、債務整理の中でも特にばれる可能性は低いと言えます。

自ら会社に言わなければ、よほどのことがない限りばれる心配はありません。

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この記事の監修者 山口学
自己紹介 株式会社トイントの代表取締役。「債務解決サポート」の編集・監修を行っています。10年以上のWEBメディアの運営・管理経験を活かし、最新のトレンドや現実事例を元にした情報提供に力を注いでいます。
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